PPI(生産者物価指数)とは
【発表機関】 | ・米労働省労働統計局(http://stats.bls.gov/news.release/ppi.toc.htm) |
【発表時期】 | ・毎月11日頃(米国東部時間8:30)、前月分が発表 |
【ポイント】 | ・米国の生産者レベルでのインフレ指標 |
【概 要】 | ・米国製造業者の販売価格の動向を測定・算出した物価指数。 ・「原材料」⇒「中間財」⇒「最終財」の段階別に、品目別・産業別に発表。 ・『コア指数』(食品・エネルギー価格除外)が重視される。 ・PPI Commodity Index(crude):エネルギー・原油・石炭・鋼材などの価格変化 ・PPI Stage of Processing(SOP):木材、製鉄、ディーゼル燃料などの価格変化 ・PPI Industry Index(finished):製造業の最終段階 |
【長 所】 | ・消費者物価指数の最も正確な先行指標 ・季節調整後・前のデータ発表 |
【短 所】 | ・変動しやすい要素(エネルギー・食料)がデータを歪める ・全ての産業が網羅されていない(サービス産業) |
PPI(Producer Price Index、生産者物価指数)とは米労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics)が生産者が出荷した商品や製品や原材料の販売価格を調査し過去と比較してその変動を指数値で表す経済指数。(※指数変化(前月比・前年比)の形で報じられることが多い)
物価が上がっているか下がっているかを調べる指標であり国がインフレ・デフレのどちらの状況にあるのかを把握することができる指標である。
インフレとは 物の価値が上がっている状態、好景気の時に発生しやすい。
デフレ とは 物の価値が下がっている状態、不景気のときに発生しやすい。
中央銀行は自国通貨の価値を安定的に維持し、経済成長を下支えすることが責務なので物価上昇を保つための金融政策を行う。
そして中央銀行が金融政策にを検討するうえで注目するのがPPIやCPI(米国FRBはPCEデフレーターという物価指数も注視)のデータです。
そのためPPIやCPI発表後に金利動向や株式市場が大きく反応することがあります。
PPI(生産者物価指数)のメリット・デメリット
メリット
・CPI(消費者物価指数)の先行指標となる。
・総合指数やコア指数以外にも製品段階別や品目別、産業別に指数が公表される。
デメリット
・食品やエネルギーなど季節変動が大きい要素がデータを歪めてしまう。
・すべての産業が網羅されているわけではない。
PPI(生産者物価指数) 動向
では実際PPIがどのような動きをしたときに金利・株価・債券価格に影響するのかを下図にて確認します。
PPI上昇(予想より上振れ) | 景気過熱気味 → | 金利上昇・株安・債券価格下落 |
PPI下落(予想より下振れ) | 景気落ち込み気味 → | 金利低下・株高・債券価格上昇 |
PPI(生産者物価指数) 発表時期について
PPI発表や総合PPI・コアPPIについて簡単に図にまとめました。
発表元 | 米労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics) |
発表時期 | 毎月11日前後(米国東部時間8:30、前月分が発表) |
総合PPI | 全対象品目の販売価格の動向を測定・算出した物価指数 |
コアPPI | 総合指数から食品及びエネルギーを除外した指数 (総合指数から変動の大きい項目を除外) |
最新PPI指数発表(2023年1月18日)
PPI(生産者物価指数)と
CPI(消費者物価指数)の違い
PPI(生産者物価指数) | CPI(消費者物価指数) | |
---|---|---|
購入者 | 企業 | 消費者 |
参照価格 | 生産者価格(卸売価格) | 末端価格(小売価格) |
景気動向指数 | 先行指数 | 遅行指数 |
PPI(生産者物価指数)と
CPI(消費者物価指数)のフロー
PPIと CPIのフローについては下図の通りです。
CPIが経済の川下である最終消費者目線の物価指数であるのに対し、PPIは経済の川上である企業目線の物価指数となる。
これがPPIがCPIの先行指標となる理由です。
例えば金融相場においては景気が回復し、拡大していく過程で物価が上昇した場合、企業物価に大きく影響を与える燃料価格や原材料価格が真っ先に上がっていきしばらくすると、その影響を受けてCPIが上昇していきます。
この点は非常に重要で、物価上昇の経路が分かれば、反対に物価下落の経路も分かります。つまり、物価の下落局面では通常、PPIが下がり、その後でCPIが下がっていくという経路をたどります。そのため、CPIやPPIを見る際は前年同月比でなく、単純に前月比で比較し、目先の物価動向の勢いを探ります
PPI(生産者物価指数) チャート
メインチャートがPPIのデータチャートですが、リーマンショック・ドットコムバブルショック・コロナショックでわずかに沈んだ後は急角度で上昇していることがわかります。
(影付きの部分は米国の景気後退を示しています)
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